『Impro to the Future』に出演しました

一昨日は『Impro to the Future』でした。ご来場くださったみなさま、どうもありがとうございました。

インプロの風を感じるように走り抜けた1時間でした。僕はインプロをしていて一番いいパフォーマンスができたときは「人間の可能性ってすごいなぁ」という感想を持つのですが、そういう時間を感じられるショーとなりました。

『Impro to the Future』というタイトルは、忍翔が「ふたりでショーをしよう」と声をかけてくれたときに考えたものでした。最近はインプロショーをするときに「なぜやるのか?」「やってどうなるのか?」ということを考えていて、そのときに浮かんだのが「インプロの未来にチャレンジする」ということでした。

忍翔も僕もインプロの今に生きて、そしてこれからを生きていきます。だからショーが決まってからはインプロの未来についていろいろと考えていましたが、ショーの数日前には一周まわって「シンプルにやりたいことをやろう」という気持ちになりました。

キースの言葉で、「あなたがいいインプロバイザーなら、普通にやればいい。あなたが悪いインプロバイザーなら、いいインプロバイザーのふりをしてもしょうがない。」というものがあります。その時の自分が誠実にチャレンジして、その結果が未来になる。そんなふうに考えてショーに臨みました。

ショーの中で印象に残っているのはクラウン(サイレントインプロ)とサッカーインプロです。

これまでサイレントのインプロをするときにはどこか焦りがありましたが、この日はともにクラウンのワークショップを受けた忍翔と一緒ということもあり、落ち着いて舞台の上にいることができました。すると今ここで起きていることに気づいて、それをパートナーやお客さんにシェアする、というサイレントの基本を実行することができました。

サッカーインプロとはサッカーをしている時の状態にインスパイアされて行ったインプロです。「グラウンドでサッカーをすることも、舞台でインプロをすることも、人前で何かをすることにはかわりはない。しかしサッカーをしている時のほうが純粋に取り組んでいる気がする。」という考えをもとに、少しエアーサッカーをしてからインプロを行いました。するとその身体の状態がまさにインプロにも表れていました。

今回のショーはインプロにおける「身体」について改めて考えるきっかけとなりました。クラウンのように何もしようとしない身体でいれば何もしようとしないインプロになるし、サッカーをするような身体でいればサッカーのようなインプロになる。身体の状態がそのままインプロに表れる、ということを実感しました。逆に言えば、インプロをするときにはもっと身体の状態を整える必要があるのだと思いました。

シンプルにやりたいことをやろうと臨んだショーでしたが、期せずしてインプロの未来が見えるような時間となりました。これからもまた探究していこうと思います。

さて、今月は28日(土)にワークショップを行います。さっそく「身体と即興」をテーマにやろうと思っています。初心者から経験者まで満足できるワークショップになると思いますので、ご興味ある方はどうぞご参加ください。よろしくお願いします。

1985年横浜生まれ。東京学芸大学に在学中、高尾隆研究室インプロゼミにてインプロ(即興演劇)を学ぶ。大学卒業後は100を超えるインプロ公演に出演するほか、全国各地において300回を超えるワークショップを開催している。2017年にはアメリカのサンフランシスコにあるインプロシアターBATSにてワークショップおよびショーケースに参加。またアメリカのインプロの本場であるシカゴにも行き、海外のインプロ文化にも触れる。 →Twitter