自分をオープンにすることで相手に貢献する、相手に貢献するために自分をオープンにする

僕はこれまでインプロは自由になることを目指すものだと思っていたけれど、今は自由になることよりも自分をオープンにすることを重視するようになっていて、そして目指すところは貢献することなのだと思うようになった。

自由は結果の状態だから、それ自体をすることはできない。直接自由をやろうとすると自由な「ふり」になってしまうし、結局は自由でない自分と戦ってしまう。

やることは今ここにいる自分をオープンにすること。恐れていてもいい。困っていてもいい。恥ずかしがっていてもいい。みじめでもいい。もちろん喜んだり面白がったりしてもいい。それらと戦わないでオッケーにしていく。

けれど、オープンにすること自体も目的にはしない。それを目的にすると「これでいいだろうか……」と顔色を伺ったり、反対に「だってそう思ったんだもん!」と頑なになってしまいがちだから。

目的は相手に貢献すること。自分をオープンにすることで相手に貢献する、相手に貢献するために自分をオープンにすると考えればもっと能動的に、もっと柔軟になれる。

自分をオープンにしながら相手に貢献することは本当にいい関係を作ることと同じことで、本当に難しいこと。自己犠牲をしたり自分勝手になる方がずっと簡単。でもそれでは愛と勇気は学べない。だから今ここにいる自分から少しずつ、誠実に探究していく。

1985年横浜生まれ。東京学芸大学に在学中、高尾隆研究室インプロゼミにてインプロ(即興演劇)を学ぶ。大学卒業後は100を超えるインプロ公演に出演するほか、全国各地において300回を超えるワークショップを開催している。2017年にはアメリカのサンフランシスコにあるインプロシアターBATSにてワークショップおよびショーケースに参加。またアメリカのインプロの本場であるシカゴにも行き、海外のインプロ文化にも触れる。 →Twitter