こんばんは、内海です。今日はベーシック・インプロワークショップでした!参加してくださったみなさま、どうもありがとうございました。
今日は前半は「失敗」について、後半は「ステータス」についてをテーマにワークショップを行いました。以下ワークショップのふりかえりです。
失敗について身体で学ぶ
僕がインプロに出会った時に一番印象的だったのは「失敗」に対するインプロの考え方でした。僕は教育学をやっていたこともあり、それまでも頭では「教室は失敗する場所」だと思っていましたが、インプロに出会ってそのことが身体で分かるようになりました。
今ではインプロにおける「失敗」の考え方にはいくつかの階層があると考えています。今日のワークショップではそれらの階層を少しずつ深くへと進んでいきました。
失敗しながら学ぶ
僕がインプロのワークショップで失敗について扱うときには、まずは「失敗しながら学ぶ」ということを伝えています。人は間違えた時や失敗した時に物事をよく学ぶことができます。だからインプロのワークショップでは参加者が失敗しないようにではなく、安全に失敗できるように心がけています。
しかし「失敗しながら学ぶ」ことについては、インプロに限らずどこでも言われていることです(実際にできているかどうかは別として)。インプロの良さはそこからさらに一歩進んで、「失敗することが楽しい」ということを経験できることだと思います。
失敗を楽しむ
僕は人間には本来「失敗する自由」があると思っています。同時に「失敗を面白がるユーモア」もあると思っています。しかしそれは「失敗はいけないもの」「失敗は避けるべきもの」という考え方を身につけるにつれて失われていきます。そして失敗は苦しいものへと変わっていきます。
しかしインプロをやっていると、まさに「失敗することが楽しい」としか言えない経験をすることがあります(むしろ失敗しないと物足りなさすら感じる)。そしてそれは「失敗する自由」や「失敗を面白がるユーモア」を取り戻す経験だと考えています。
失敗をオープンにする
今日は「失敗をオープンにする」ことについても扱いました。失敗を隠すとその場所の雰囲気は重くなり、より失敗できない場所になっていきます。失敗をオープンにすればその場所の雰囲気は軽くなり、より失敗できる場所になっていきます。だから失敗をオープンにすることはその場所に対する貢献なのだと思います。
前半の最後には「さしすせそ禁止ゲーム」を行いました。ときには考えすぎてしまうゲームですが、今日はとても楽しくできていたと思います。チャレンジして、失敗して、笑いあう。そこにはとても自由な空気が流れていました。
ステータス
後半はインプロ(即興演劇)の中でも「演劇」に関することとして「ステータス」を行いました。音楽が音の芸術、ダンスが動きの芸術だとしたら、演劇は関係の芸術だと思います。だから演劇には関係に関する様々な見方があります。ステータス(偉さ)もその一種です。
ステータスを一番簡単に作る方法は身体から作る方法だと思います。ステータスが高い身体を作れば自然とステータスが高いふるまいをするようになり、ステータスが低い身体を作れば自然とステータスが低いふるまいをするようになります(身体から内面を変えるというのも、演劇の知恵のひとつですね)。
今日はさらに、相手との関係で「上を取る」「下を取る」ということにも意識を向けてみました。相手よりも上を取る・下を取る方法は様々あります。今日はお互いに色々な方法を試しながら「そういう方法もあるねぇ」と発見をしていました。そして同時にシーンもできていました。
ベーシック・インプロワークショップは演劇経験の無い方も参加していますが、だからといって演劇のワークをやらないようにするのではなく、当たり前に演劇のワークもやるようにしています。それが結局は参加者にとって豊かな学びになると思うからです。
今日のワークショップでやったゲーム
・物の場所をあてる
・キネティック・ダンス
・名前を呼ぶ
・ロボットゲーム
・リア・ハンド・ホップラー
・さしすせそ禁止ゲーム
・ステータスパーティー
・ステータスの順番で並ぶ
・ステータスを使ったシーン
・ジブリッシュでステータスシーン
次回のベーシック・インプロワークショップは8月24日(土)に中目黒で行います。今回とはまた別のテーマで進めていきますので、今日参加してくださった方もどうぞ引き続きご参加ください。各回完結ですので、次回が初めての方でも大丈夫です。みなさまのご参加をお待ちしています!