8月24日(土)ベーシック・インプロワークショップふりかえり

こんばんは、内海です。一昨日はベーシック・インプロワークショップでした!参加してくださったみなさま、どうもありがとうございました。

今回はひたすら「Spontaneousとしての自由」について深めていきました。以下ワークショップのふりかえりです。

Spontaneousになる

インプロを学ぶことの半分くらいは自由になることを学ぶことだと思います。そしてその自由とは「Spontaneous」としての自由です。頑張ってアイデアを考え出すのではなく、自然に浮かんできたものを素直に表現することです。

それは簡単なようで意外と難しいことです。ストレッチや筋トレのように、繰り返しやって身体的に学んでいきます。僕の感覚としては、「自分の内側を掃除していく」感覚です。はじめのうちは自分の内側がごちゃごちゃしているためスッとアイデアを出すことができないけれど、練習を繰り返していくうちに自分の内側がきれいになってアイデアがスッと出てきやすい身体になっていきます。

頭の中の検閲官に気づく

Spontaneousになるために重要なことは、頭の中の検閲官に気づくことです。頭の中の検閲官は出てきたアイデアを「これは卑猥だ」「これはおかしい」「これはつまらない」と言って検閲してしまいます。そして結果としてアイデアを出すことが難しくなっていきます。

検閲をすることは必ずしも悪いことではありません。むしろ日常生活を送るためには必要なことでもあります。しかし必要以上に検閲をしていることもしばしばあるものです。インプロの場ではまず検閲を外してみて、必要に応じて検閲をかけていく、というステップを踏んでいきます。それは一度子供に戻ってみて、再び大人になっていく(無理に大人にされるのではなく、自分の選択で大人になっていく)プロセスと言ってもいいかもしれません。

今ここにいる

今回のワークショップでは「Spontaneous」から発展して「今ここ」にいることも扱いました。過去のことや未来のことを考えると、今ここで起きていることに気づけなくなってしまいます。

しかしそうは言っても今ここに心を留め続けることは難しいことです。Spontaneous同様、繰り返しやって身体的に学んでいきます。今回はサムライゲームをかなりの回数やってみましたが、段々とその状態を掴んでいっている様子が見えました。

Yesと言う人は冒険を手に入れ、Noと言う人は安全を手に入れる

ワークショップの最後にはYesと言うこととNoと言うについても扱いました。インプロではNoと言うと話が進まなくなります(また、話が複雑にもなります)。反対に、Yesと言うと話がどんどん進んでいきます。

There are people who prefer to say “yes” and there are people who prefer to say “no”. Those who say “yes” are rewarded by the adventures they have. Those who say “no” are rewarded by the safety they attain. ―― Keith Johnstone

世の中には「Yes」と言うことを好む人たちと「No」と言うことを好む人たちがいる。「Yes」と言う人たちはその報酬として冒険を手に入れ、「No」と言う人たちはその報酬として安全を手に入れる。―― キース・ジョンストン

検閲することと同じく、Noと言うことは必ずしも悪いことではありません。しかし、必要以上にNoと言っていることが多いのも事実です。インプロではとりあえずYesと言えるようになって、その上で選択的にNoと言えるようになることを目指していきます。これもまた一度子供に戻って、再び大人になっていくようなプロセスだと思います。

今回のワークショップでやったゲーム

・物の場所をあてる
・キネティック・ダンス
・名前を呼ぶ
・サウンドボール
・セリフを言う
・連想ゲーム/非連想ゲーム
・私は木です
・座る・立つ・寝る(目つぶりバージョン)
・サンキューゲーム
・サムライゲーム
・ハットゲーム
・ノーと言う/イエスと言う

次回のベーシック・インプロワークショップは9月28日(土)に高円寺で行います。次回は「Give your partner a good time(相手にいい時間を与える)」をテーマに進めていきます。今回参加してくださった方もどうぞ引き続きご参加ください。各回完結ですので、次回が初めての方でも大丈夫です。みなさまのご参加をお待ちしています!

1985年横浜生まれ。東京学芸大学に在学中、高尾隆研究室インプロゼミにてインプロ(即興演劇)を学ぶ。大学卒業後は100を超えるインプロ公演に出演するほか、全国各地において300回を超えるワークショップを開催している。2017年にはアメリカのサンフランシスコにあるインプロシアターBATSにてワークショップおよびショーケースに参加。またアメリカのインプロの本場であるシカゴにも行き、海外のインプロ文化にも触れる。 →Twitter