仮面劇の何が面白いのか?

今日もたびたび告知している仮面劇の稽古でした。稽古は毎回とっても充実していて、そして可能性を感じるものになっています。

今回の仮面劇は日本ではほとんど上演されることのないフルマスクを使用した劇です。だからこそ可能性を感じているのですが、同時に新しすぎて、「告知の仕方が分からねぇ」という状態でもあります(笑)

というわけで、ここでは仮面劇の何が面白いのか、可能性があるのかについて書いてみようと思います。

踊ることと演じることの境界線を綱渡りする

今回の仮面劇には台本パート・ダンスパート・インプロパートがあって、僕はインプロパートに出演します(1つの公演で全てが見られます)。

インプロパートはもちろん即興で、なおかつ今回はフルマスクを被っているためサイレントでシーンを行います。そういったことを話すと「何を頼りにやるのですか?」と聞かれることがあります。

僕の実感としては「自分の身体に聞いてみる」ということが頼りになると感じています。フルマスクのインプロでは「今は身体が座ったほうがいいと言っている」「今は身体が近づいたほうがいいと言っている」という身体の声に従っていきます。そうしているとシーンが自然とできあがっている、というのがうまくいくときの感覚です。反対に、シーンを作るために「身体を動かそう」とするとうまくいかなくなるという感覚があります。

自分の身体に聞いて従っていくことは踊るようなことだと思います。僕は踊ることが好きで、夜な夜な部屋の中でひとり踊っていることがありますが、その感覚と近いものがあります。

しかし、本当に踊ってしまうとそれは演劇にはならなくなってしまいます。だから今やっていることは踊ることと演じることの境界線を綱渡りするようなことだと思っています。

分かることと分からないことの境界線を綱渡りする

これは同時に、分かることと分からないことの境界線を綱渡りしている、とも言えると思います。

フルマスクにおいて身体は意図を表現するものではなく、自発的に動くものです。だからそこには明確な意味はありません(特にシーンの始めのうちは)。

そういう意味で、分かりやすいかと言えば分かりやすいものではないと思います。しかし、それが分かりやすいものではないからこそお客さんの想像力は働き出します。もしそれが分かりやすいものであったら、そこにはお客さんの想像力が働く余地がありません。また、それが分からなすぎてもお客さんの想像力は働き出しません。

そういう意味で、今回の仮面劇(特にインプロパート)は分かることと分からないことのギリギリを攻めている公演だと言えると思います。

というわけで、今回の公演は非常に実験的な公演だと思っています。しかしだからこそ可能性がある公演だと思っています。今回の公演では、ぜひその可能性を目撃しに来ていただければと思います。

みなさまのご来場をお待ちしています。どうぞよろしくお願いします!

以下詳細です。

THE MASK THEATRE 『Carbon Copy』

【日時】
2017年11月25日(土)・26日(日)
25日(土) 14:00 / 17:00
26日(日) 12:00 / 15:00
※開場は開演の30分前
※上演時間は約50~60分予定

【会場】
若葉町ウォーフ01
神奈川県横浜市中区若葉町3-47-1

【料金】
前売 2000円(学生1000円)
当日 2500円(学生1500円)

【予約】
内海に直接ご連絡いただくか、下記URLよりご予約ください。
https://torioki.confetti-web.com/form/277

【詳細】
下記特設ページをご覧ください。
http://bricolage-rl.com/carboncopy/

1985年横浜生まれ。東京学芸大学に在学中、高尾隆研究室インプロゼミにてインプロ(即興演劇)を学ぶ。大学卒業後は100を超えるインプロ公演に出演するほか、全国各地において300回を超えるワークショップを開催している。2017年にはアメリカのサンフランシスコにあるインプロシアターBATSにてワークショップおよびショーケースに参加。またアメリカのインプロの本場であるシカゴにも行き、海外のインプロ文化にも触れる。 →Twitter