昨日はLPJ(リトルプロフェッショナル・ジャパン)にて子役向けのインプロワークショップを行ってきました。
ワークショップは「ドラマチック・インプロ」と題して、クロサワインプロを段階を追って進めていきました。
クロサワインプロは「間を取って」「行動する」ことによってシーンを即興的に作っていくワークです。その名の通り黒澤明監督の映画にインスパイアされて生み出されました。
クロサワインプロは大人の俳優に向けて行っても難しいワークです。そのため子供たちも難しそうにしていましたが、逆に言えば大人と同じくらいしか難しがっていないという感覚もありました。
「行動すること」「決断すること」は老若男女問わず大変なことなのだと思います。それはアイデアの問題であると同時に、勇気の問題でもあります。ワークショップの中では「勇気を出して行動した瞬間」がやはり印象的なものになっていました。
クロサワインプロはピンチの状況でどのような行動ができるかを試してみるものですが、今回一番盛り上がったのは、子供の中から自然と出てきた「もしもトイレの花子さんに出会ったら」というシチュエーションでした。
このシチュエーションは大人ではなかなか思いつかないものです。子供たちに何が響くかの感覚については、まだまだ磨く必要があると感じています(ここらへんは「子供のためにインプロワークショップをするときに心がけていること」も参考に)。
また、「自分の子供がいじめられていることが分かったら」というシチュエーションでは、みんなで何ができるか話し合う時間も取りました。そこで一生懸命考えている子供たちを見て、演劇は現実の問題について考えられるメディアなのだと改めて思いました。
今回のワークショップでは、間についても行動についても、総じて「ちゃんと」ディレクションをしました。言い換えるなら、大人の俳優と同じように指導や演出を行いました。
インプロ(もっと大きく言えば演劇)が楽しいものであることはとっても大事なことです。同時に、インプロが奥深いものであることを知ることも大事なことだと思います。今回のワークショップが子供たちにとって「インプロって奥深いものなんだなぁ」という経験になっていれば幸いです。